先日、売ろうと思ってまとめていた本を買取店へ持っていきました。
本を買取カウンターに預けて、査定がある間、何となく売っている中古本を物色することにしました。
なかなか良いお値段で売られていて、「これは、結構いけるのでは…!」と期待が膨らみました。
私は本をコレクションする趣味はないので、資料として必要な本以外は、相当な思い入れがない限り手放すことに躊躇しません。
図書館も利用しますが、本当に読みたいと思う本がなかなか図書館で見つからないのはどうしてなのでしょうか…。
また、電子書籍で読む習慣ができれば、本を置く場所も取らないし、本屋さんや図書館へ行く手間も省けて良いと思うのですが、やっぱり本は紙で読みたい。
などと考えながら、中古本を眺めていると、買いたい本がわんさか出てきて「売ったお金で買えばいいさ」と、たくさんの文庫本をを手に取っていたところ、査定完了のアナウンスが聞こえてきました。
とりあえず査定金額を聞いてから買う本を決めようと、ひとまず本を戻して、勇み足で買い取りカウンターへ向かいました。
持って行った15冊のうち、売れたのは12冊。売れなかった3冊は引き取っていただきました。
売上金額は850円。
250円で売れた某大作上下巻の文庫本で500円。
100円で売れた話題作2冊で200円。
後は10円とか30円とかでしか売れませんでした。
わかってはいたけれど、
店を構え、人を雇い、品物を商品として売る手数料というのは結構高いのだなと改めて思ったのでした。
というわけで、たくさん買いたい本の中から表題の本を一冊だけ買いました。
垣谷美雨さんの「ニュータウンは黄昏れて」。
定価750円の本が519円でした。金額でみるとそれほどお買い得感はありません。
でも、本は出会いですから…。
垣谷さんの本は何冊か読んだことがありますが、はずれがなく、いつも痛快で面白いのです。
今回のこの本も一気に読んでしまいました。
古い公団住宅が持つ問題も良くわかり、描写がものすごくリアルだと思ったら垣谷さん自身が公団住宅を購入して住んでいたことをあとがきで知り、納得しました。
私も、いくつか団地のリフォームの設計をしたことがありますが、団地特有のゆったりとした雰囲気(文中には「団地全体が巨大な公園のような」とありましたが、まさにそういう感じ)を思い出しながら読みすすめました。
住まいを提供することを生業としている私としては、日本の住宅事情に潜んでいる問題を突き付けられて、何ともいえない気持ちになりました。
でも、この本を読んで、物語だけに、ありえない設定もありましたが、結局は落ち着くところに落ち着いて、そして人は結構たくましく、あきらめなければ未来はきっと開けると思わせるお話でした。
さて、これをまた買取店に持っていくといくらで売れるのでしょうか?… (^^)
◇後日譚◇
怖いもの見たさで値札付で売りに行ったところ、買取金額80円なり…。
レンタル料に換算すると、519円一80円=439円。まあ、面白かったので良しとするか…。